実験事件

日々思ったことを記事にします。一貫性にかけるかもしれません。

BluetoothヘッドフォンとAirPods

AirPodsを買ってから早一年ほどが経とうかという頃です。当時、予約開始から二時間程度の遅れで、発送まで三週間くらい待たされた記憶があります。特異なデザインや充電ケースにはすぐに慣れましたが、まだ愛用者の少なかった始めの頃は、外で使うのになんだか気恥ずかしいような、くすぐったい感じがありましたね(嘘です)。
さて、僕は以前から、Bluetoothのヘッドフォンを使っていました。JBLのE40BT。価格帯はかなり安めで、AirPodsの方が高いかと思います。なぜか大学の先生方が授業で僕のヘッドフォンを見るたび「JBLか。いいの使ってるね」と言ってくれました。そういう時代があったんですかね? すいません疎くて。
それで、JBLのヘッドフォンちゃん。彼女はAirPodsを使い始めて以来、殆どをベッド下の引き出しの中で過ごしていました。それが昨日、突然思い出して使い始めたんですけど、やっぱりヘッドフォンは違いますね。この時期なんか特に、耳が暖かい。音もなんだか、広がり方が違う気がします。ただ、ずっとつけてられないのが難。

今日は、封筒を出すのと個人カードの受け取りで、郵便局と市役所に行きました。郵便局は地元の駅にあるのですぐに終わったのですが、市役所が遠い。僕の家からは歩いていけないこともないのですが、流石にバスで行こうと思い、市役所へ。
個人カードは、昨年の末に受け取りの申請をして、年をまたいで先日、準備ができたとの連絡が来ました。年末の忙しい時期に申し訳ないことをしたなと思いつつ、今日、受け取りへ。簡単な本人確認と、諸々の説明。待ち時間を含めても30分ほどで受け取ることができました。市役所へ直接取りに行く場合は予約はいらないとのことだったので、この手際の良さには少し感動しました。一仕事終え、気持ちよくタバコを吸うと、バスで地元駅へ。お昼ご飯に、以前から気になっていた、蕎麦屋に入りました。ええと、牡蠣天が気になっていたのです。今度行くときはお蕎麦も食べたいと思います。

帰宅後は、先日の夜から久し振りに再開したWatchDogs2を始めました。そうです。これをやるためにJBLちゃんを引っ張り出したのです。PS4Bluetoothオーディオに対応していないので、DS4のイヤフォンジャックからオーディオ機器を繋げるか、PS4を接続しているディスプレイのジャックに頼るしかないんですよね。それで、今まではEarPodsとか使っていたんですけど、本当に突然、頭の中のあれこれがビビッと繋がって(大袈裟)、JBLちゃんと有線コードをDS4にぶっ刺したと、そういうわけなんです。
いやあ、JBLちゃん、本当いいです。割と安くてお勧めだと思います。値段の割にはそれなりに仕事をするし、普通に使っている限りにおいて、かなり耐久性があるかと思います(すごいアバウトな商品紹介)。ただ、本当に耳痛くなるので、キツめが苦手の方はやめた方がいいと思います。あと、AirPods、結構もう手に入るらしいですね。半年くらい前ですけれど、渋谷のApple Storeで聞いた時、Appleの直営店での取り扱いはリアルもネットも待ちだけど、ヨドバシなら一日で届けてくれるって話がとても興味深かったですね。僕の地元でも、最近じゃあ一人二人はAirPoder見かけるので、随分出回ったんだな、と感じます。

浸透圧シンフォニーとサントラ、配信と音楽の話

高音質320k [ささみさん@がんばらないED] 浸透圧シンフォニーFULL by pyon 音楽/動画 - ニコニコ動画
最悪です。

浸透圧シンフォニー、知ってる方いらっしゃいます? さる2014年、シャフトにて制作されたアニメ『ささみさん@がんばらない』(以下、ささみさん)のEDテーマです。失礼、2013年でした。
確認してみたところ、原作はアニメ放映のすぐ後に完結になっているんですね。独特の世界観と、左さんの可愛らしいキャラクターが好みでした。左さんといえば、嘘つきみーくんとか、FGOのオケアノスのキャスターで有名ですね。当時西尾維新に傾倒していた僕は、入間人間の作品にも興味を持ち嘘つきみーくんを買いましたが、どうも彼の作風はあまり受け入れられず、結末にはそれなりに満足したものの、結局他の作品に手をつけることはありませんでした。イラストはかなり好きです。
話を戻しましょう。浸透圧シンフォニー、ヒロインのささみさん演じる阿澄佳奈さんの透き通るような歌声、ヒャダイン作曲のメロディととてもマッチしていました。彼、カカカタ☆カタオモイみたいな明るく、いい意味で騒がしい曲調ばかりでなく、『Zzz』みたいなしっとり系の曲もとてもうまいと思います。たまにクレジット見てあ、となることがありますね。放送当時、がんばらないささみさんはことごとくEDを歌うのを拒み続けていたのも面白かったです。はじめてちゃんと聴いたとき、こんないい曲だったのかと驚きました。

はい。長々と書きましたが今回の本題。数あるアニソンの中でも名曲のひとつとして数えられるであろう浸透圧シンフォニー、iPodで聴こうと思うと、ささみさんのBD1巻を購入しなければなりません。

🤔

iTunesで取り扱われない曲

あなたは普段、どのように音楽を聴いていますか?
CD? YouTubeSpotifyiTunesApple Music?
世界には今、様々な音楽視聴の手段があります。CDやLP、カセットテープなどの半アナログな手段、iTunesに代表されるインターネット経由のデジタルな手段。好きなアーティストの新譜を、日付が変わると同時にiPodで聴ける時代です。CD派のあなたも、電車で音楽を楽しむ時は、iPhoneにアンプ付けてイヤフォンで聴くでしょう?(偏見)。月額制のサービスが主流になりつつあると言っても過言ではなく、Apple Musicで人気の曲を垂れ流し、懐メロを聴き、クラッシックを聴き、ヒーリングミュージックを聴き、果ては落語を聴く。YouTubeで小遣いを節約する方もいらっしゃるかと思います。
音楽は今、あなたに聴かれることを待っている時代なのです。彼らはあなたを拒絶することなく、リスナーの呼び声にこたえます。iPodはいつだって僕たちの好きな音楽を流す。

そんな時代と真っ向から立ち向かう謎の勢力。特典CD。彼らは時にあなたの聴きたいを無視し、身勝手な対価を要求し続け、果ては絶版、プレミア化によって僕らを根底から拒絶します。聴かれる音楽の時代になんの恨み持っているのでしょう。
思い返せば、シャフトはかの有名な『化物語』において、各ヒロインたちの歌うOPテーマをCDでなくBD特典としてはじめ世に出しました。『恋愛サーキュレーション』を聴くには、2万円もするBDの初回特典版が必要だったのです!(今考えると恐ろしい)。現在ではいくつかのサントラやコンピアルバム、iTunes配信によって幾分聴きやすくはなりましたが、インスト版は確か、BD特典限定のはずです。
世の中、世知辛いのじゃー

サントラといえば

僕の好きなアニメの一つに、京都アニメーションの『氷菓』という作品があります。私気になります! のアレですね。業界随一の書き込みによって、青春群像劇ここにありと言わしめた作品です(個人の感想)。あの作品、劇伴がすごくいいんですよね。無伴奏チェロとか、クラッシックの曲を積極的に使い、なんだか文学的な雰囲気がありました。
はい、氷菓のサントラもBD特典です。
ナナドラこと『セブンスドラゴン』というゲームシリーズをご存知でしょうか。確か、SEGARPGなんですが、PSP以降の作品が有名かな。ファルコムの名作『イース』シリーズでサントラを担当した古代祐三氏による、古き良きゲームミュージック。以降のシリーズにはない美麗なドット絵との相性は抜群で、スクエニには真似できないノスタルジーがありました。古代祐三氏は幼少時代、ジブリで有名な久石譲氏に師事されていたそうです。ファルコムの元社員といえば、昨今話題の新海誠監督もそうですね。イース2のOP映像がすごくいいんです。僕はフィーナ派なんですが、新海監督のリリアはとても魅力的で好きです。
戻ります。セブンスドラゴン、僕はDSしかいじったことなくて、しかもだいぶ昔のことで全然内容覚えてないんですけど、あのタイトル画面の曲は今でも覚えてます。たまにDS出してきて、延々リピートさせるくらいです。このサントラもiPodで聴きたいんですが、DS版のサントラはゲームの初回限定版のみで、勿論絶版。ヤフオクAmazonではあり得ない価格で取引されています(しかも、年々高くなっている)。

このほかにも、世の中には聴きたくても聴けない、聴くことが難しい音楽が沢山あります。Apple Musicで地球の裏側で流行っている曲を一瞬で再生できる世の中において、こんな不条理なことがありますか?
勿論、CD以外の媒体がない時代であれば、売れ線でない曲が日の目を見ることが難しいのは当然です。しかし、今はもう、そういう時代ではないと思います。なんたって、わけのわからないヒーリングミュージックやら、クラッシックの詰め合わせやらがApple Musicで配信されるような時代なのですから。

最後に

今、本当に色々な音楽が身近になっています。クイーンやビートルズ、今期のアニメの主題歌、3年前のアニメのキャラソン、海外のインディーズ、サイゼリヤで流れるイタリアの歌謡曲、なんでも一瞬でイヤフォンを振るわせます。知らない曲も、Siriに聴けば教えてもらえます。本当にいい世の中だなあと思います。度々このブログで取り扱うバンドリも、CDと同時ではありませんがApple Musicで聴けます。『あんハピ♪』のキャラソンなんて、Apple Musicに上がらなければ一生聴くことはなかったと思います(今でもヘビロテするほど好きです)。
新たなビジネスモデルなのだと思います。音楽は聴かせる時代から、聴いてもらう時代へ。特典商法を続けるシャフトには早く目を覚ましてほしいものです。
そうそう、ビジネスモデルといえば、美麗CMで話題になった京アニの新作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、Netflixで配信するそうですね。僕はNetflix非常に便利に使わせてもらっているので、素直に嬉しいです。氷菓の一話も、BD以外なら、ほかのどの媒体よりも絵を楽しめます。いい傾向なんではないでしょうか。

ガルパ考察・氷川紗夜と花羽問題

新年、あけましておめでとうございます。
最近、バーチャルYouTuberの動画にはまっています。群雄割拠というか、日々新しい方たちが参入しますね。なかでも僕はシロイルカことシロちゃんがお気に入りですね。暇な時間は、適当にシロちゃんの動画を見ながら作業してます。

さて、今回はガルパ考察第二弾として、『Roselia』(以下、ロゼリア)のギター担当、氷川紗夜の考察をしていきたいと思っています。早速、始めていきたいと思います。

氷川紗夜

花咲川女子学園二年生。同学園の生徒会メンバーであり風紀委員。『Pastel*Palettes』のギター担当、氷川日菜は双子の妹。弓道部所属。白金燐子、丸山彩、白鷺千聖、松原花音とは同級生。
ストイックな性格で、自身の技術向上やスタジオでの練習に余念がない。そのストイックさをバンドメンバーに対しても求め、時にそれが衝突のタネになることも(ロゼリア結成前、所属していたバンドを追い出された)。
妹の日菜からは非常に懐かれているが、なんでも出来てなんでも同じ事をする日菜に対して、強いコンプレックスを抱いている。

そんな彼女ですが、今回考察の対象となったのには(勿論)訳があります。それは、ガルパ七不思議の一つ「花咲川と羽丘、偏差値が高いのはどっち?」問題(以下、花羽問題)を解決する上で重要な存在だからです。

花咲川と羽丘、紗夜と日菜

花羽問題を考える上で、お互いの高校の生徒を比較したいと思います。まず、具体的に成績について言及されているキャラクターについてですが、花咲川一年首席の有咲、花咲川二年で学年二位の紗夜以外で高い学力に対する描写が見当たりませんでした。両名とも花咲川の生徒ですし、羽丘の日菜やモカは成績良さそうなのですが、軽く確認してみても、具体的な記述が見当たらなかったので不採用とします(情報いただけると助かります)。
成績が悪いキャラクターは大勢いるので、こちらもとりあえず保留とさせていただきます。
ということで、花羽問題を正攻法で捉えるのには少々無理があるとのことなので、ここからは、氷川姉妹の高校進学事情の謎と絡め、花羽問題について考えていきたいと思います。

ここでまず、氷川姉妹の関係についておさらいします。二人は双子の姉妹であり、マップイベントや[表舞台の裏側]氷川日菜のエピソードを見るに、良好とまでいかないものの決定的な決裂はない、そんなアンニュイな姉妹関係であることが伺えます。ギターや、紗夜の頑張っていること、本気で取り組んでいることの話題になると、紗夜は日菜を遠ざけるきらいがあります。それは、日菜がいつも、紗夜のマネをし、紗夜を上回ってしまうからです。
紗夜と日菜の関係は決して不変ではありません。イベントストーリーを通して、紗夜は日菜へのコンプレックスに対して向き合おうとします。しかしそれは、ガルパで語られる物語以前に紗夜が抱いていた日菜へのコンプレックスが、今現在より深いものであったことを暗に示しているとも言えます。
結論から言います。花羽問題の部分で軽く言及しましたが、彼女たち姉妹は現在、別々の高校に通っています。私は紗夜が花咲川に進学した理由が、日菜にあると睨んでいます。

花咲川と羽丘は中等部と高等部の両方が存在します。ロゼリアの宇田川あこや、香澄の妹である戸山明日香はそれぞれ中等部の学生です。また、日菜と紗夜の通っていた中学校がどこなのかは明らかではありませんが、『Afterglow』の面々や、『Poppin'Party』の一部メンバーは中等部からの進学であることが明らかとなっています。氷川姉妹は元々、羽丘の中等部に通っていたのではないか。そして、本来としては羽丘の方が若干程度、学力は高い。それが花羽問題を考えた末、僕の導き出した結論です。

一つずつ考えていきます。中等部までは同じ学校へ通っていた氷川姉妹ですが、紗夜が日菜へ抱くそれは年とともに大きくなります。同じ環境で比較され続けることに耐えられなくなった彼女は、ついに日菜とは別の進路を選びます。勿論、花咲川へ進学することを日菜に悟られれば、彼女もまた、紗夜と同じ進路を選びかねません。表向き、羽丘に進学すると見せかけながら、日菜には内緒で花咲川へ進学した。これが、氷川姉妹が羽丘の中等部に通っていたと僕が確信する理由です。
いや待て、紗夜は最初、湊友希那の存在を知らなかったではないか。とお思いのあなた。そうです。羽丘の学生であるロゼリアのリーダー、湊友希那は、ロゼリア結成以前からソロでライブに出演を続け、ファンができるほどの存在でした。中学時代、同じ学校に通っていた彼女のことを、面識はないまでも、顔くらい憶えていてもおかしくはないのでは? との言説には一理あります。しかし、しかしです。よく思い出してみてください。紗夜は、駅前ですれ違った同じクラスの白金燐子に対して、一切反応を示しませんでした。さらに言えば、以前のバンドがライブをしていた場所は、友希那がライブをしていた場所と全く同じでしたが、友希那からアプローチがあるまで、友希那のことを知りもしませんでした。あれほどの人気を誇っていたにもかかわらず。
つまり、紗夜は自分以外の他者に対する関心がない。いや、なかった。中等部からほとんどの学生が高等部への進学を決める中、多少の迷いはあったにせよ、花咲川への進学を決められたのも、そんな彼女ゆえかもしれません。

具体的な描写は少ないものの、氷川姉妹はともに他のキャラクターより優秀な人物であるというのは事実と言えるでしょう。おそらくそれは、中学校進学の時も同様であると思われます。とすれば、花咲川と羽丘とで、進学先を羽丘に定めたのは、羽丘の方が花咲川よりは優秀な学校であったからと言えるかもしれません。ただ、羽丘以外の進学先として紗夜が花咲川を選ぶくらいの学校であるということも、忘れてはいけない事実です。
結果として、両校ともそれなりの学校ではあるものの、羽丘の方が若干優秀。
これにて、花羽問題に関する考察とさせていただきます。

最後に

今回一応の結論は出ましたが、正直私立ですし、両校とも学力的に弱そうな子がいるので、あまりこの結論に強い意味はないと思います。それよりも僕は、氷川紗夜というキャラクター、その存在についての方に興味があります。
彼女は特別なキャラクターです。ストイックで、(多くの他のキャラクターにもいえることですが)人間関係も得意とは言えない。にもかかわらず、彼女の立ち位置はとても興味深い。羽沢つぐみとは、両校の生徒会役員という繋がり。丸山彩とは、姉仲間という繋がり。まだ描写はないですが、『Glitter*Green』の鰐部七菜とは花咲川生徒会の繋がりがあります。また、僕の考察が正しければですが、香澄とは、高等部からの花咲川進学生という繋がり(?)もあります。知れば知るほど、得意な存在感を放つキャラクター。その魅力を知っていただきたい。そう思い、今回の考察とさせていただきました。

バンドリ、ガルパ考察・序論『「バンドもの」の新しい描き方』

年の瀬です。こんな時節にブログを始めてしまうことになるだなんて。

このブログでは、普段ツイッターで捨てるように消費した多くの人に共有したいあれこれを、自分なりにできるだけ濃ゆく書いていきたいと思います。特にこれを重視する、という話題は設けないつもりでいます。SEO的によろしくなさげ。

 

さて、本ブログ最初の話題として、メディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』(以下、バンドリ)の世界観、人間関係についての考察を認めたいと思います。

 

『バンドもの』の新しい描き方

登場人物の多くが高校生のバンドリ。学園もののメディアミックス作品としては珍しく、本作では、花咲川女子学園、羽丘女子学園の二つの学校が登場します。また、登場するバンドも一つではなく、二つ三つでもなく、七つ程度のバンドが登場します。それらのバンドのメンバーたちは概ねどちらかの学校に通っており、花咲川の学生で結成されたバンド、羽丘の学生で結成されたバンドはもちろん、二つ学校の学生が混ざったバンドも登場します。

学生バンドをテーマとする上で、自分たちとは別の日常を生きるほかの学生バンドの存在というのは、この手のメディアミックス作品としては、新しい切り口なのではないかと思います。またそれは、ある高校の、軽音楽部に所属する、ある一バンドだけで描かれた従来の物語では、学生バンドは描き切れない。そんな強いメッセージだと感じます。

 

さて、テレビアニメバンドリ(以下、アニドリ)では、主人公戸山香澄と、彼女の所属する『Poppin’Party』(以下、ポピパ)結成と成長の物語が描かれます。香澄率いるポピパは、メンバー全員が花咲川の一年生であり、キーボード担当の市ヶ谷有咲以外は、同じクラスです。

彼女たちは、高等部から花咲川へやってきた香澄を中心に出会い、ポピパを結成、ライブハウス『SPACE』への出演を目指します。

アニドリではこのように、花咲川の学生、特にポピパのメンバーがメインであり、他バンドの描写は僅かです。つまり、従来の物語の文脈に限りなく近いかたちでアニメは進行していきます。しかし、少ないながら、その存在感が皆無という訳ではありません。同じ花咲川に通う先輩バンド『Glitter*Green』、SPACE出演を競うライバル『Roselia』、羽丘の生徒だけで結成された『Afterglow』の面々など、ポピパの周りには常に、同世代のライバルたちが密かに描かれました。そのほとんどはまだ、ポピパで精一杯だった彼女たちの視界には強く写りませんでした。

 

彼女たちが従来の物語の文脈を超え、真のバンドリとして描かれ始めるのが、スマホ向けソーシャルゲームバンドリ! ガールズバンドパーティ!』(以下、ガルパ)です。

ガルパでは、ポピパをはじめとした計五つのバンドの物語が、相互作用的に描かれます。

大小さまざま物語が(かなりの文量)散りばめられたガルパでは、至る所で彼女たちの日常を垣間見ることができます。それらは決してリニアな物語だけでなく、他バンド同士の掛け合いといった、パラレルな物語もあります。この、従来の物語ではありえなかった組み合わせ爆発的物語の数々、それらは時に他の物語へ影響を与えあい、彼女たちの物語がサザエさん時空によって閉ざされた永遠不変のユートピアでなく、成長と変化を持った青春群像劇であることを語ります。キャラクターたちの内面や、人間関係の少しの変化が、全体に影響を及ぼしあい、結果的に作品世界の魅力をより奥深いものにするのです。

 

バンドリの打ち出した新しい『バンドもの』の描き方は、ダイナミックに物語を描くだけでなく、作品世界そのものを多角的描くことにも長けています。散りばめられた設定の数々。次回は、その隠された設定について、いくつか考察してみたいと思います。