実験事件

日々思ったことを記事にします。一貫性にかけるかもしれません。

浸透圧シンフォニーとサントラ、配信と音楽の話

高音質320k [ささみさん@がんばらないED] 浸透圧シンフォニーFULL by pyon 音楽/動画 - ニコニコ動画
最悪です。

浸透圧シンフォニー、知ってる方いらっしゃいます? さる2014年、シャフトにて制作されたアニメ『ささみさん@がんばらない』(以下、ささみさん)のEDテーマです。失礼、2013年でした。
確認してみたところ、原作はアニメ放映のすぐ後に完結になっているんですね。独特の世界観と、左さんの可愛らしいキャラクターが好みでした。左さんといえば、嘘つきみーくんとか、FGOのオケアノスのキャスターで有名ですね。当時西尾維新に傾倒していた僕は、入間人間の作品にも興味を持ち嘘つきみーくんを買いましたが、どうも彼の作風はあまり受け入れられず、結末にはそれなりに満足したものの、結局他の作品に手をつけることはありませんでした。イラストはかなり好きです。
話を戻しましょう。浸透圧シンフォニー、ヒロインのささみさん演じる阿澄佳奈さんの透き通るような歌声、ヒャダイン作曲のメロディととてもマッチしていました。彼、カカカタ☆カタオモイみたいな明るく、いい意味で騒がしい曲調ばかりでなく、『Zzz』みたいなしっとり系の曲もとてもうまいと思います。たまにクレジット見てあ、となることがありますね。放送当時、がんばらないささみさんはことごとくEDを歌うのを拒み続けていたのも面白かったです。はじめてちゃんと聴いたとき、こんないい曲だったのかと驚きました。

はい。長々と書きましたが今回の本題。数あるアニソンの中でも名曲のひとつとして数えられるであろう浸透圧シンフォニー、iPodで聴こうと思うと、ささみさんのBD1巻を購入しなければなりません。

🤔

iTunesで取り扱われない曲

あなたは普段、どのように音楽を聴いていますか?
CD? YouTubeSpotifyiTunesApple Music?
世界には今、様々な音楽視聴の手段があります。CDやLP、カセットテープなどの半アナログな手段、iTunesに代表されるインターネット経由のデジタルな手段。好きなアーティストの新譜を、日付が変わると同時にiPodで聴ける時代です。CD派のあなたも、電車で音楽を楽しむ時は、iPhoneにアンプ付けてイヤフォンで聴くでしょう?(偏見)。月額制のサービスが主流になりつつあると言っても過言ではなく、Apple Musicで人気の曲を垂れ流し、懐メロを聴き、クラッシックを聴き、ヒーリングミュージックを聴き、果ては落語を聴く。YouTubeで小遣いを節約する方もいらっしゃるかと思います。
音楽は今、あなたに聴かれることを待っている時代なのです。彼らはあなたを拒絶することなく、リスナーの呼び声にこたえます。iPodはいつだって僕たちの好きな音楽を流す。

そんな時代と真っ向から立ち向かう謎の勢力。特典CD。彼らは時にあなたの聴きたいを無視し、身勝手な対価を要求し続け、果ては絶版、プレミア化によって僕らを根底から拒絶します。聴かれる音楽の時代になんの恨み持っているのでしょう。
思い返せば、シャフトはかの有名な『化物語』において、各ヒロインたちの歌うOPテーマをCDでなくBD特典としてはじめ世に出しました。『恋愛サーキュレーション』を聴くには、2万円もするBDの初回特典版が必要だったのです!(今考えると恐ろしい)。現在ではいくつかのサントラやコンピアルバム、iTunes配信によって幾分聴きやすくはなりましたが、インスト版は確か、BD特典限定のはずです。
世の中、世知辛いのじゃー

サントラといえば

僕の好きなアニメの一つに、京都アニメーションの『氷菓』という作品があります。私気になります! のアレですね。業界随一の書き込みによって、青春群像劇ここにありと言わしめた作品です(個人の感想)。あの作品、劇伴がすごくいいんですよね。無伴奏チェロとか、クラッシックの曲を積極的に使い、なんだか文学的な雰囲気がありました。
はい、氷菓のサントラもBD特典です。
ナナドラこと『セブンスドラゴン』というゲームシリーズをご存知でしょうか。確か、SEGARPGなんですが、PSP以降の作品が有名かな。ファルコムの名作『イース』シリーズでサントラを担当した古代祐三氏による、古き良きゲームミュージック。以降のシリーズにはない美麗なドット絵との相性は抜群で、スクエニには真似できないノスタルジーがありました。古代祐三氏は幼少時代、ジブリで有名な久石譲氏に師事されていたそうです。ファルコムの元社員といえば、昨今話題の新海誠監督もそうですね。イース2のOP映像がすごくいいんです。僕はフィーナ派なんですが、新海監督のリリアはとても魅力的で好きです。
戻ります。セブンスドラゴン、僕はDSしかいじったことなくて、しかもだいぶ昔のことで全然内容覚えてないんですけど、あのタイトル画面の曲は今でも覚えてます。たまにDS出してきて、延々リピートさせるくらいです。このサントラもiPodで聴きたいんですが、DS版のサントラはゲームの初回限定版のみで、勿論絶版。ヤフオクAmazonではあり得ない価格で取引されています(しかも、年々高くなっている)。

このほかにも、世の中には聴きたくても聴けない、聴くことが難しい音楽が沢山あります。Apple Musicで地球の裏側で流行っている曲を一瞬で再生できる世の中において、こんな不条理なことがありますか?
勿論、CD以外の媒体がない時代であれば、売れ線でない曲が日の目を見ることが難しいのは当然です。しかし、今はもう、そういう時代ではないと思います。なんたって、わけのわからないヒーリングミュージックやら、クラッシックの詰め合わせやらがApple Musicで配信されるような時代なのですから。

最後に

今、本当に色々な音楽が身近になっています。クイーンやビートルズ、今期のアニメの主題歌、3年前のアニメのキャラソン、海外のインディーズ、サイゼリヤで流れるイタリアの歌謡曲、なんでも一瞬でイヤフォンを振るわせます。知らない曲も、Siriに聴けば教えてもらえます。本当にいい世の中だなあと思います。度々このブログで取り扱うバンドリも、CDと同時ではありませんがApple Musicで聴けます。『あんハピ♪』のキャラソンなんて、Apple Musicに上がらなければ一生聴くことはなかったと思います(今でもヘビロテするほど好きです)。
新たなビジネスモデルなのだと思います。音楽は聴かせる時代から、聴いてもらう時代へ。特典商法を続けるシャフトには早く目を覚ましてほしいものです。
そうそう、ビジネスモデルといえば、美麗CMで話題になった京アニの新作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、Netflixで配信するそうですね。僕はNetflix非常に便利に使わせてもらっているので、素直に嬉しいです。氷菓の一話も、BD以外なら、ほかのどの媒体よりも絵を楽しめます。いい傾向なんではないでしょうか。